大量服薬とリストカットが続いていた

週一で面談をさせて頂いた患者さんがいました。

初めてお会いした時に話された一番の訴えとして大量服薬とリストカットをしてしまうということがありました。

理由を尋ねると

幻聴が「リストカットをしろ、大量服薬をしろ」

と命令してくるそうです。

多くの患者さんから話を伺うと幻聴で聴こえる声には強い強制力があります。

難しい問題です。

そこで、なぜその内容の幻聴が聴こえてくるかを考えました。

話を聴く限りでは本人も分からず困り果てています。

なにか糸口はないかと、部屋を見渡すと処方薬が山積みにおいてありました。

お会いした当初は服薬の自己管理もままならず、飲み忘れのお薬がどんどん溜まっていたんですね。

本当に手探りではあったのですが

もしかして「大量に薬があるからそのような幻聴が聴こえてくるのでは?」

と仮説を立ててみました。

患者さんは薬がたくさんないと不安だと話されていましたが、正直に僕自身が考えたことをお伝えして、渋々ですが納得して頂きました。

そして一週間後の面談でなんと

「この一週間、大量服薬しろって声が聴こえんかった」

と話されました。

患者さん自身も驚いていましたが、それよりも僕自身が驚いていたと思います。

環境の一部を変えるだけでもこれだけの変化が起こることがあるんだと強く実感出来た出来事です。

ただ、その後も、リストカットは何度か繰り返されていました。

こちらは鋭利なものを目に見える場所に置かないように工夫しても続いていました。

その度にまたやってしまったと正直に話をされます。

僕自身は「なんでそんなことするの!」ということはしませんでした。

本人もしたくてしているわけではないので、その度に何かあったの?

とやったことは患者さんも僕自身も受け入れて、繰り返さないようにどうしていくかお互い、考えれることを話し合って共有していきました。

そんな時、僕が彼と出会ってから4回目のリストカットがあった時です。

本人から

「もう、リストカットはしない」

との声が出ました。

「なにかそう思えることがあったの?」

と尋ねると

「弟から、それで死んだら悲しいから二度とするなって怒られた」

と話されました。

自分の命の重要性がその時、はっきり認識出来た様です。

その後は、一度か二度のリストカットはあったものの、今では

「なにがあってもそれはしない」

頼もしいぐらいにはっきりと拒絶出来る様になりました。

そうすると今でも幻聴はありますが、

大量服薬、リストカットを促す幻聴は無くなり、その他の内容の幻聴でも

左右されることは少なくなり、頓服として処方されていた抗精神病薬も服用の回数が格段に減っています。

患者さんの抱える問題を解決するために重要なことは

良いと思うことはなんでもする

これに尽きると思います。

試行錯誤の末により良いものを提供できる様にしていく。

マニュアルもないぐらいに思っていた方が、思わぬ視点から解決策が出てくることも多々あります。

そして周りの人の支援

その人自身の存在の重要性をしっかり伝える

幻聴などの症状で罵倒のような言葉を毎日聴かせれていたら、自分なんていない方がと考えてしまうのは想像に難しくありません。

その点を何度でも繰り返し伝える。

本当に大切なことです。

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